
想像する力が私たちにはあるから
なかなかまとまった時間が取れないけれど、考えることや誰かとシェアしたいテーマは増えるばかり。その一つが「想像する力」について。
子供を産んで、今まで気づかなかったこと、スルーしていたことに気づいてハッとすることがある。
たとえば、ベビーカーではほんの小さな段差にもつまずいてしまうということ。
たとえば、出掛ける前に駅のエレベーターの有無と位置を何度もチェックすること。
たとえば、保育園入れないって本当だった・・・と愕然とすること。
たとえば、街に出るとこんなにたくさん妊婦さんや赤ちゃんがいたんだ、と驚くこと。
今までも変わらずそこにあったのに、見えていなかった、見ようとしなかった様々なことたち。嬉しいことや感動することもいっぱいあるけど、やっぱり不便や不満も感じる。
設備や制度とかのハード面は、いい解決法がパッと思い浮かばないし、整備するのに時間もお金もかかるだろう。でも、ちょっとした声かけとか笑顔とかお手伝いとかのソフト面については、できることはたくさんあると感じている。
そういう私はといえば、これまで外出先で赤ちゃんが泣いていても迷惑だとか感じたことはなかったけど、でもそれだけだった。
ちゃんと笑顔を向けていた?(笑顔を向けられたり声をかけられたりするとホッとするのです)電車ではベビーカーに場所を譲った?(乗降時ドア近くに押し出されるのは恐怖)ドアを開けて待っていてあげた?(自動ドアの押すボタンすらうらめしくなるし)
恥ずかしながら、できていなかったことの方が多い。そもそも気づいていなかったことも。そしてこれは、高齢者であったり外国人であったり他の場合でも言えること。確かに当事者にならないと本当のことはわからないのかもしれない。
でも想像する力が私たちにはあるから!
以前演出家の永井愛さんが
「コミュニケーション不全は他者への想像力の欠如からはじまる」
と書いていたのを思い出す。
経験だけが全てではないはず。もしも私があなただったら?と問いかけてみること。
想像する力は、強い。
家で街で、電車で、スーパーで、ほんの少しだけ他者への想像力を働かせてみることで、確実に変わっていく光景があると思う。