
ビジネス文書|仕事がうまくいく文章術
ビジネス文書が「読みたくなる」パワーを持ったら?
コミュニケーション能力の基本となる「書く力」。文章力に自信がある人もない人も、社会人になると誰でも膨大な「ビジネス文書」を書くことになる。
たかがビジネス文書。
しかし・・・
もしもビジネス文書が「読みたくなる」「受け手を動かす」文章になったら、とてつもないパワーを発揮するのではないだろうか?
ビジネス文書のコミュニケーションを少し変えるだけで、きっといろんなことが変わる。仕事もうまくいくようになるだろう。
報道記者としてキャリアをスタートして10年以上「書くこと」「伝えること」に携わってきた経験から「仕事がうまくいく文章術」について考えてみたい。
そもそもビジネス文書とは何なのか?
ビジネス文書には、依頼書や稟議書など様々なものがあるが、ビジネス文書とは何かといえば
「仕事の目的を合理的かつ迅速に達成するための文書」
である。
ゴールは、受け手に会議に出席してもらったり、予算の承認をしてもらったりすること。
この認識がずれていると、ビジネス文書は成り立たない。
文章を書き始める前に、まずはビジネス文書のゴール:受け手に期待する行動を確認しておこう。
また、合理的かつ迅速にというのがポイント。「なんとなく」や「雰囲気」で進めてはダメだ。ビジネス文書は受け手に何らかの行動をしてもらうことがゴールなので、文章で必ずその理由や背景を説明しなければいけない。
ビジネス文書には必ず「理由」や「背景」が必要
具体的に見ていこう。ビジネス文書の構成で最もシンプルなのは
(理由・背景)●●だから
(結論)◼︎◼︎してください。
というもの。こう書くと当たり前のことのように思えるが、
よくあるビジネス文書の問題は
「結局何をすればいいのかわからない」
「なぜこれをしなければいけなのか?」
というものなので、このセットは基本であり重要なものだ。
また、「理由」や「背景」は抽象的なものではなく、具体的に述べることもポイント。
ビジネス文書の文章作成術
とはいえ、具体的に文章を書き始めると悩むことも多い。
起承転結など文章構成の型は様々にあるが、いきなり構成を意識して文章を書くのは難しいもの。そこでオススメなのが、最終的な着地点の一文を先に決めてしまうという文章作成術だ。
例えば依頼なら
「来月開催の式典に出席してください」
という着地点の一文を真っ先に書く。
そして、そこに向かって文章を組み立てていくのである。
「受け」の一文があるので、文章が書きやすくなる。
文章を書き終えたら、すべての文章の「受け」が着地点の一文になっているか、ということを確認しておこう。
このように、少し意識するだけでコミュニケーションは変わっていく。日常的な行動だからこそ、意識して取り組みたい。