仕事と家庭は両立できない?


またもや久しぶりの更新になってしまいました。自我が芽生えてきて可愛さも手のかかり度合いも日に日に増していく子供とか、ようやくエンジンがかかり始めた仕事とかで頭も体もいっぱいな日々。

今日は、そんな私の心を鷲掴みにしたこの本について。

『仕事と家庭は両立できない?:「女性が輝く社会」のウソとホント

筆者のアン=マリー・スローターは外交の専門家で、オバマ政権時に国務省の幹部に抜擢されたバリバリのキャリアウーマン。ヒラリー・クリントン国務長官のもとで順調にキャリアの階段を上がっていたが、2年で国務省を退任する。その背景には、ワシントンで単身赴任をしている間に思春期の息子が問題行動を起こすようになり、息子と向き合う時間を増やす必要に迫られたということがあったという。

彼女はその経緯を2012年『なぜ女性はすべてを手に入れられないのか?』(原題:Why Women Still Can’t Have It All)というタイトルで発表し、全米で大きな話題になった。私も当時この記事を読んだので覚えている。でも、多分、そこまで心に刺さってはこなかったのだろう。同時期に発売されたフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグが書いた『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』の方が印象に残っているくらいだし。

でも、今この本の言葉はじわじわと心に響いてくる。それは、きっとこの数年で私自身の環境も周りの環境も大きく変化したからだろう。

本書では、仕事と家庭(育児・介護)の両立を女性の問題とせず「職場の問題」と捉え直そうと提言する。そして、世の中でよく言われている「子供には母親が必要」「家庭を養うのが男性の仕事」などの決まり文句のウソを次々と暴いていく。ロジカルかつユーモア溢れる切り口と、時に赤裸々な告白もあって説得力がすごい。筆者自身は超エリート層だけど、この本は仕事と家庭の両立に悩む人皆が「自分ごと」に感じられるメッセージが詰まっている。

この本のなかで最も印象に残っているのが「人生はそれほど自分次第でもない」という言葉。そうだよなぁ。ほんと。

自分が頑張ればなんとかなる、というのはよく口にしてきたし、人にも結構言っていたし、人からもよく言われてきた。

でも・・・自分の人生を全部自分でコントロールできるというのは結構危険な発想かもしれない。振り返ってみて、いつも最良の選択をしてきただろうか?私自身は、とてもじゃないけどイエスとは言えない。成功した場合でも、たまたま運がよかっただけ、環境に恵まれただけという事の方が多い気がする。反対に、自分ではどうにもならないことで軌道修正を迫られることだってあるだろう。特に家族や健康のことは、それこそ自分ではどうにもならない。人生は思いがけない出来事であふれている。幸せなことも辛いことも。

だから、著者は現実をしっかり見ること、色眼鏡を捨てることが大事なのだと言う。ケアも競争もどちらも同じくらい価値があるものだし、父親と母親は同じくらい上手に子育てができるものだし、男性も女性も同じだけの選択肢があるべきなのだから。

こういう問題に関心がある時は、とかく大変な時なので、どうしても視野が狭くなり、「今、目の前」の課題をクリアするのに必死になってしまいがち。(明日の保育園の送迎に間に合わない、誰か探さなきゃ!)

でもそういう時こそ、未来に繋がっていく変化を起こせるのだと思う。だから小さな一歩を今から、自分から。