ティール組織

上司もいない。予算もない。給料も自分で決める。ティール組織の新しさ


上司はいません。当然ながら上下関係もありません。予算もありません。給料?自分で決めてください。

そんな企業があると聞けばどう思いますか?

「そんなこと本当に可能なの?」と疑問に思う方が多いのではないでしょうか。どんな小さな趣味のサークル活動だってリーダー(的存在の人)はいるし、予算も決めたりするのが普通なのに、営利企業でそんなことができるなんて!

でも、そういう組織が実在するのです。それも世界中に。しかも、それらの組織は圧倒的な業績を上げているというから驚きます。

何の話かと言えば、2018年1月に日本語版が発売されて話題になった「ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現」のこと。発売当時もFacebookや仕事先でよく話題になっていたので買ってみたものの、なにせ500ページ超の分厚い組織論の専門書。完全に積ん読状態になっていました。

最近仕事で新しい組織論に触れる機会が多くなったのを機にもう一度トライしようと思っていたところ、タイミングよく同内容をイラストで紹介した「[イラスト解説]ティール組織――新しい働き方のスタイル」が出版されたので、2冊同時に読了。その内容が本当に面白かったので、ここにも残しておこうと思います。

そもそも「ティール組織」とは何ぞやなのですが、これ自体は「色」を示しているだけです。著者が歴史を振り返って、時代ごとに現れる組織モデルに色をつけて呼んだものです。これまでの組織モデルを振り返ると下記の4つに分類されます。

  • 「レッド組織」:およそ1万年前に現れた組織の最初の形態。強力な上下関係をもとにしていて、必要なら暴力もいとわない。現在でもマフィアやギャングなどの世界に根強く残っている。
  • 「アンバー組織」:国家と文明の時代に登場。レッド組織の持つ不安定な衝動をコントロールすることを学んだ階層的なピラミッド組織。現在でも宗教団体や軍隊などに見られる。
  • 「オレンジ組織」:現在の企業で主流となっている組織モデル。効率を高めてイノベーションを起こすことを目指す組織形態。アンバー組織までは生まれ持った身分を引き継いでいたが、オレンジ組織は誰もがトップになる可能性を持つ実力主義を取り入れたことがブレークスルー。
  • 「グリーン組織」:平等と多様性を重視し、合意形成で物事を進める組織形態。ヒエラルキー構造をなくし、最前線の社員に可能な限り権限委譲しようとする。トップが人格者で強力なサーバント・リーダーであることが多く、ベンチャー企業やNPOなどに多く見られる。

そして今生まれつつあるのが、上下関係はなく、全員が自由に意思決定する「ティール組織」です。
ティール組織はこれまでの組織とは違う全く新しい世界感で成り立っており、「生命システム」に例えられることからもわかるように、生命自身が持つ力によって自然に変化していくような組織です。

そして「ティール組織」には共通して3つのブレークスルーがあると言います。

  1. セルフマネジメント:ヒエラルキー構造は一切なく、いくらの予算を使うかも給料も自分で決めること。
  2. 全体性:職場で仮面をかぶるのではなく、誰もがありのままの自分を出せるようにしようということ。全体性を発揮するためには、そこが「安心安全の場」であることが必要。
  3. 常に進化する目的:未来のあるべき姿を予測してコントロールするのではなく、常に変わる組織の存在目的に耳を傾けて、そこにたどりつけるように全員が探求していこうという考え方。

・・・ってこれだけ見てもなんだかよくわからないですよね。

初めて読んだ時は私も「????」だったのですが、実際に世界中でティール組織が生まれていて、それがこれまでにない成功の形を収めているという事実があり。旧態依然のパラダイムで考えていちゃダメだなと実感したのです。

私自身10年以上、いわゆる大企業と呼ばれる組織で会社員をしてきました。上司や環境に恵まれていたので、かなり自由に動き回ってはいたものの、それでも組織独特の息苦しさみたいなものを感じたことは何度もあります。特にマイクロマネジメント系の上司(幸運にもほとんど出会わなかったけど)は苦手だったなぁ。だからこそ、ティール組織は面白そうだ、と直感的に感じます。

ティール組織は、まだ日本にはほとんどないと言われていますが、これだけこの本が売れているということは、こういう組織がいいと思う人も多い証拠のような気がします。これから増えてくるかもしれません。

ただ、ピラミッド組織になじんだ頭ではそもそもパラダイムが異なるので、足を踏み入れるのはかなりハードルが高そう。こういうのを面白いと思うか、理解不能と思うか、その溝はかなり深い気もします。

とはいえ、身近なチームで実践してみるとか、自分がティール的にふるまうとか可能性はありそうです。とりあえず、自分が今いる組織やチームは何色だろうと考えてみるのも面白いかも。
ちなみに組織の最小単位は家庭!?夫も読んでいたので、まずは家庭で実践してみようと思います ^^