【夏休みはおうちモンテッソーリ!】家庭でできるモンテッソーリ教育(2歳半~6歳)


前回の続きです。

今回は、家庭でできるモンテッソーリ教育(2歳半~6歳)です。子どもの発達は連続するもので、何歳になったからと言ってぶつ切りになるわけではありませんが、0歳~2歳半と、2歳半~6歳は身体的・精神的発達に大きな差があり、したがってモンテッソーリ教育でも体系が異なります。(教師資格も分かれています)

 

2歳半~6歳とはどんな時期か?

モンテッソーリは、子どもの発達を24歳までの期間で考え、4段階に分けました。
なかでも大きく成長、変容し、敏感期が現れるのが0歳~6歳であり、モンテッソーリ教育もこの年齢がメインとなっています。

この時期こそが人格形成期(球根の根)となるのですが、モンテッソーリ教育ではさらに0歳~2歳半と、2歳半~6歳のふたつに分けて考えています。0歳~2歳半は、「吸収する精神」と言われ、環境にあるものをまるごとためこんでいく重要な時期です。

それに対して2歳半~6歳は「意識の芽生え」の時期です。0歳~2歳半までにためこんだ様々なものを、意識して洗練、秩序化する時期なのです。したがって、モンテッソーリの活動も、0歳~2歳半までは手でつかんだり、折ったり、貼ったりする大きな動きがベースでしたが、2歳半~6歳では秩序だった動き、むだのない動きをめざしたお仕事になっていきます。

 

2歳半~6歳のおうちモンテッソーリ

これらを踏まえて、2歳半~6歳にお薦めのおうちモンテッソーリ活動にはどんなものがあるでしょうか?

モンテッソーリ教育では、敏感期を背景に「日常生活の練習」「感覚教育」「言語教育」「算数教育」
「文化教育」の5つの分野があります。このうち、「日常生活の練習」はまさに日常生活=家庭がベースなので
おうちモンテッソーリに最適です。また、他の分野でも応用できることはたくさんあります。分野別にご紹介します。

■日常生活の練習

日常生活の練習の目的は「運動の完成」です。つまり、自分の意志どおりに動く身体をつくることです。このことが、精神の自立にもつながります。日常生活の練習は、体全体を使うもの、手を使うもの、指先を使うものなどがあります。「座る」「立つ」「貼る」「縫う」「歯をみがく」「靴を履く」といった活動は、すべて「お仕事」となります。特別な道具を必要としないので、おうちモンテッソーリで取り入れるのに最適です。その際、保護者の方は、むだのない動き、秩序だった動きを伝えることを心掛けるといいでしょう。運動の敏感期にいる子どもたちは、そういった動きをなんなく獲得していきます。

・服をたたむ→たんに折るだけでなく、きちんと端と端をそろえるなどを意識してたたむ

・机をふく→ふき残しがないように、ムダのない動きでふく

・お茶を出す→音を立てないでコップを運ぶことを意識する

・洗濯をする→洗う・しぼる・干すなどいくつもの工程があり、モンテッソーリ園でも大人気。

・縫う→最初は直線から。最初は、針に糸を通す、糸を切る、など分解しても。

ほかにも、野菜の皮むきや食器洗いなど、いわゆる「お手伝い」と言われているものもモンテッソーリのお仕事に
なります。

 

■感覚教育

視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚という五感を洗練させる教育です。「モンテッソーリ教具と言えば感覚教育」と言われるくらいで、教具でも有名なものは、感覚教具が多いです。モンテッソーリ教具は、五感を洗練させるために計算されつくされていますが、手に入りづらいですし、高価なので、おうちモンテッソーリに最適とは言えません。でも、モンテッソーリ教具でなくても、知育玩具の中にも似たようなものがたくさんあります。私もモンテッソーリ教師資格を取得した後に、玩具売り場や通販サイトで「これ、モンテのあの教具に似てる!しかもお値段は10分の1・・・」なんて驚いたことがよくあります。そしてそのうちいくつかは、自宅用に買って子供たちのお気に入りになりました。

【プラントイ 幾何学ペグボード】
プラントイ社の玩具って、おうちモンテに最適なものたくさんあります。実際にモンテ園やモンテ教室でもプラントイの玩具を置いているところは多いですね。我が家にもたくさんあります!視覚を発達させつつ、立体をなでて実態認識感覚も身につきます。

■言語教育

いわゆる知的教育です。2歳半~6歳は文字に対する敏感期がやってきます。モンテッソーリは、文字学習に最適な年齢は4歳と言っています。(もちろん個人差はあります)そういう背景から、モンテッソーリの言語教育は、文字、書きことばの教具が多いです。言語教育もおうちモンテッソーリでいろんな活動ができると思います。

・ことばあそび→「あ」がつく言葉を言ってみよう!とできるだけたくさんいう。語彙を豊かにする活動です。

・絵本の読み聞かせ→語彙を豊かにして、想像力、理解力を養います。

・音節あそび→ことばを音節に分解して、1音節ごとに手拍子をとります。(例)「あり」と言いながら2回手をたたく。ことばの音節分解をしているので、書きことばへの重要な導入になります。

【KUMON Newひらがなつみき】

KUMONのトイもいいものがいっぱいありますね。ひらがなつみきは、文字に対する敏感期がまだのお子さんでも楽しめます。遊ぶ様子を観察していたら、「いつのまにか文字を読んでいる」「単語を並べている」という姿が見られるかもしれません。まさにそれが文字に対する敏感期です。

■算数教育

「子どもに算数なんて!」と思うかもしれませんが、モンテッソーリの算数教育はいわゆるお勉強とは一線を画しています。英才教育と誤解されがちなのも算数教育のイメージかな、と思っています。モンテッソーリの算数教育は、無理のない形で数の教育が展開されます。その特徴はいくつかあるのですが、何よりも「具体的な量物」から入るのがポイントです。頭の中で「くくはじゅういち」と唱えるようなことは一切しません。そのため、モンテッソーリ教具で人気の「金ビーズ」のお仕事というのがあるのですが、小さいビーズが1、それが10個集まったのが10、10の金ビーズが10個集まったのが100、それが10個集まったのが1000、と実際に持って、重さを感じて、見て、比べて数の概念を身につけていくのです。そしてこの1000という金ビーズが「1000」なんだと一致させます。単に1000という言葉を覚えるのではない、というところがポイントです。モンテッソーリ育ちの子どもは、算数好きの子が多いというのもわかります。

【モンテッソーリ アバカス】

おうちモンテで算数教育にお薦めなのは「そろばん」です。具体的に玉を動かすことでたし算、ひき算を学ぶことができます。

■文化教育

モンテッソーリ教育の文化教育には、生物、地学、歴史、地理などがあります。その範囲は非常に広く、芸術や宗教も含みます。モンテッソーリ園などで扱われるのは、理科、社会の分野が多いです。
マリア・モンテッソーリは文化の敏感期を6歳頃としていましたが、100年経った今は子どもたちを取り巻く環境も大きく変わっています。海外旅行も身近なものになり、インターネットで様々な動画も見ることができる現代の子どもたちの文化の敏感期はもう少し早いはずだと個人的にも感じています。2021年はオリンピックイヤーでもあり、海外やスポーツに興味が出てきたら、それが文化の敏感期であり、文化教育の導入の目安かもしれません。

文化教育は特別な道具がなくてもできるのが特徴です。今は宇宙などの本格的な解説動画を無料で見ることができますが、やはり「文化教育」でも「具体からはじめる」「感覚を重視する」「直接体験」はモンテッソーリの基本になります。できないものもありますが、できる分野については、実際に植物を採取してみる、生物を飼う、料理をする、など手を動かして、においをかいで、見て、感覚器官をフルに駆使できる場を用意できるといいですね。

【KUMON 地図パズル】

せっかく学ぶなら、正確なもので学びたい!KUMONのパズルシリーズは、大人も楽しめる本格派です。

 

以上が、2歳半~6歳向けのおうちモンテッソーリの紹介です。

教具や玩具がなくても、モンテッソーリ・メソッドは普遍なので、おうちでできる「お仕事」や「おうちモンテ」って実はたくさんあります。例えば「日常生活の練習のために、家事のなかでも皮をむく、洗濯ものをたたむなど、手をよく使うお仕事をお願いする」「感覚教育の一環で、公園で植物を観察してにおいをかいだり、さわってみることで感覚器官を洗練させる」など、日常の1コマに取り入れる機会はあふれています。

夏休みに限らず、ちょっとした機会にぜひ実践してみてくださいね!