アカデミー賞

第88回アカデミー賞|スピーチの楽しみ


アカデミー賞スピーチの楽しみ

日本時間2016年2月29日(現地時間2月28日)に行われた世界最高峰の映画の祭典、第88回アカデミー賞授賞式。

豪華なドレス、司会者やパフォーマンスなど見所はいろいろあるが、なかでも受賞スピーチは楽しみのひとつ。影響力を持つ人たちが、魅力的な言葉と声と表情で行うスピーチは胸に迫るものがある。

過去には、イラク戦争で世界が揺れていた2003年のエイドリアン・ブロディ(『戦場のピアニスト』で主演男優賞)の「あなたの信じる神が何であれ、神のご加護がありますように」とか、記憶に新しいところでは昨年グラハム・ムーア(『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』で脚色賞)が16歳の時に自殺未遂をした体験に触れながら「ありのままでいいんだよ」と呼びかけたスピーチなど、その人にしか語れない言葉は、強い。

では今年は・・?

第88回アカデミー賞マイベストスピーチ

1位 レオナルド・ディカプリオ(主演男優賞「レヴェナント:蘇えりし者」)

今年こそ!と祈るような思いで見ていたので感情移入してしまったけれど、環境問題に熱心に取り組んできた彼だからこそのスピーチだった。

地球温暖化の深刻さ、人間と自然との関係、行動を起こすことの大切さ、恵まれない子供達、未来の子供達へと思いを馳せること・・・。

強いメッセージとなって世界に届いたと思う。

 

2位 サム・スミス(歌曲賞 “Writing’s On The Wall” 「007 スペクター」)

同性愛者であることをカミングアウトしているサム・スミスは「ゲイはアカデミー賞を取れない」というイアン・マッケランの言葉に触れ「世界中のLGBTに賞を捧げる。いつかは誰もが平等に扱われるように」と述べた。言葉には、ガチガチに凝り固まった社会を変える力がある。そう信じさせてくれるようなスピーチ。

 

3位 ピート・ドクター/ジョナス・リヴェラ (長編アニメ映画賞「インサイド・ヘッド」)

子供の成長を見て生まれた映画だと語り「今苦しい思いをしている中高生へ、どんな時も物を作ることができる。映画や絵、文章が世界を変える」というメッセージを投げかけた。
物を作ることで世界を変えてきたクリエイターならではの言葉は、説得力がある。

 

ほかにも、素敵な場面(レディ・ガガのパフォーマンスとかエンニオ・モリコーネの涙とか)はたくさんあった。インサイド・ヘッドのスピーチではないけれど、映画や絵、文章には世界を変える力があるのだと思う。
今年も芸術を楽しみながら、送り手のメッセージをしっかり受け止めたいなと思う。